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古谷徹さんインタビュー 第三回

2020.11.20 |
新ブランド「ZERO STAR」を立ち上げた古谷徹さんに、横浜のご当地芸人・横浜ヨコハマの2人が鋭く迫るインタビュー。

最終回は声優というお仕事について、古谷さんならではのこだわりや仕事術を伺います!

 

 

新村「声優になろうと決めたのはいつですか」

 

古谷「子役から声優も俳優もやっていたので、いつですかね。大学卒業時に普通の就職を考えた時もあったんです。当時は不景気だったので公務員とかも勧められたんですけど、最終的には『巨人の星』のキャリアを生かしたくてこの世界に戻ったみたいな感じですね」

 

新村「戻ったときは声優としてですか」

 

古谷「いやいや子役も長かったので、両方でした。だから、大学を卒業して一応プロとして歩み始めてからも、お昼のメロドラマとか顔出しの仕事もずっとやってたんですよ。そしたら業界に古谷が戻って来たというのを知られて、ご指名でアニメの仕事もいただいて。最初は両方やっていましたし、それこそガンダム(『機動戦士ガンダム』アムロ・レイ役)くらいまでですかね」

 

新村「待たれていたってことですよね」

 

上仲「我々は辞めたら辞めっぱなしですよ。誰も待っていないですからね」

 

古谷「ガンダムをやって、アニメの仕事ってすごい面白いなって思ったんですよね」

*Amebro より引用させていただいております。

 

上仲「その頃からなんですね」

新村「マルチな活動をされていた中でも、声優っていいなと思い始めたのはガンダムくらいからなんですね」

古谷「何にでもなれるじゃないですか、アニメって。僕、中学からロックバンドでギターとボーカルをやってたんですけど、大学時代にも東京音楽学院というところで歌を習ったりもしてたんです。それで歌手の道も探ってたんですけど、やっぱりガンダムとの出会いで、あーこれはおもしろい、自分も生かせるし、と思って、アニメ一筋で行きたいなと思いました。それで今の、声の仕事専門の青二プロダクションにお世話になったんです」

青二プロダクションhttps://www.aoni.co.jp/

 

上仲「多趣味だからこそいろんなキャラクターに生かされるみたいなこともありますか?」

 

古谷「それはありますね。たとえばウインドサーフィンなんかで、沖に出て、風向き変わっちゃうと戻ってこれなくなっちゃうんですよ。そうすると、広い大海原の中で、ずっと一人じゃないですか」

 

上仲「怖い怖い!」

 

古谷「どうすんだ、このまま流されて遭難しちゃうんじゃないか、って考える。そうすると本当に自分ってちっぽけだなって。そういう経験って人間形成においても大事だと思うんです。つい自惚れがちになる職業じゃないですか我々って。だけどそういう思いをすると、たかだかちっぽけな人間なんだよな、俺はって思えて。大自然の凄さとか大きさっていうのを感じる。そういうのは役にも生きますね」

 

新村「はい、本当ですね」

 

古谷「スノボでキッカーというのがあるんです。ジャンプをするんですけど」

上仲「そんなこともやられるんですか!」

 

古谷「はい。本来ならパークの横を一度滑って、形とか高さを見てからジャンプするんですよ。ただ、ある時、いつも行っているゲレンデなのでいきなりジャンプしたら、ちょっと形がいつもと違って、胸から落ちて手をついて、肋骨を折っちゃったんですよ」

 

新村「何してんですか…」

 

上仲「やってること学生ですよ」

 

新村「やんちゃな大学生ですよ」

 

古谷「そう。で、やべーって思って。声も出ないし、ちょっと歩くだけで響くし。でもたとえば聖闘士星矢にしろなんにしろ、ヒーローものの作品で衝撃を受けたり、打撃を受けたりした時ってこういう痛さなんだなあって」

 

新村「なんでもプラスに転じすぎですよ(笑)。あ、痛い、こういう感じか!
みたいな?」

 

古谷「そう。やっぱりすごい参考になります」

 

新村「ハンパないですね」

 

上仲「いろんな経験が声優というお仕事にすべて生きると」

 

新村「今、インタビューさせていただいてますけど、まじで勉強させてもらっています」

 

上仲「お前も一回漂流したほうがいいよ」

 

新村「いや、もうお笑いできなくなるわ、トラウマになって」

 

古谷「なんかやっぱりね、ワクワクドキドキしていたいんですよ。いつも。だからスキーなんかは大学時代からやっているから……40年以上やっているから怖くないからつまらないんですよ。それでスノーボードを始めたらめっちゃ怖かったんですよ。本当に緊張するし、どきっとするし、コケるし。あ、これだと思って」

 

新村「コケて、これだって思うんですね」

 

上仲「なかなかないことですよ」

 

新村「大人になったらコケたら嫌なんですよ」

 

古谷「いいんですよ。芸に生きます」

 

新村「(笑)。僕たちはご当地でやっていこうと思って、浅井企画を退社して、去年からフリーになって横浜だけでやろうと思って、今日大久保(撮影スタジオ)に来てるんですけども」

 

古谷「横浜だけじゃ仕事にならないでしょ」

 

新村「横浜の大先輩ですから、僕たちに芸能界での長生きの秘訣というか、何か教えてください」

 

古谷「結局なんだろうな。僕が大事にしてきたのは一言一言のセリフと役。一つ一つの作品。それらにやっぱり精一杯真摯に取り組むっていうことですよね。それと…人柄じゃないですかね。最終的には」

上仲「人柄かあ」

 

古谷「なんで下向いちゃうの?

 

新村「現時点で僕たちの人柄はどうでしょうか?」

 

古谷「面白いんじゃないですか? 絶対いい人たちってわかりますし」

 

新村「先輩もめっちゃ人柄いいっす」

 

上仲「やめろっ先輩に。50年やってるんだよ」

 

新村「50年って本当にすごいです。僕たちはデビュー15年目なんですが、インタビュアーという仕事は今日初めてなんですよ」

 

古谷「そうなの?」

 

新村「ここに来るまで、インタビュアーってどんな感じなんだろうって話していて」

 

上仲「トークイベントとか、配信イベントで司会という形はあるんですけど」

 

新村「そういう時はたまにゲストの方を向いて、基本はお客さんの方を向いて話すことが多いんですが、こんなにガッツリと向かい合ってお話させていただくことはないので緊張しました」

 

古谷「僕もまさか芸人の方にインタビューされるとは思っていなかったですもん」

 

上仲「誰も何も聞いていなかった感じがいいですね(笑)」

古谷「これ、(衣装の)ボーダーはこだわりがあるんですか?」

 

新村「どう思いますか?」

 

古谷「やっぱり横浜だからね」

 

新村「悩んだんですよ。最初は上仲はスーツで、僕も短パンにスーツみたいなのを着てたんですけど、これじゃよくないなと思って、横浜ぽいものをと探してボーダーになりました。で、次がバンダナ。今はオーバーオールとかも着てこんな感じになりました」

 

古谷「いいんじゃないですか?」

 

新村「ちょっと足したりするとしたらどうしたらいいですか、僕たち」

 

古谷「僕は、これだったら白い靴を選ぶけど」

 

新村「二人ともですか?」

 

古谷「うん。白の方がいいんじゃないかな」

 

新村「このあと新宿で買います!」

 

古谷「本当に(笑)」

 

新村「先輩の第一印象じゃないですか。そういう意見がめちゃくちゃ大事なんです」

 

上仲「バンダナはない方がいいですか?」

 

古谷「ワンポイントになってるからいいと思うよ」

 

新村「取りたいんですか? 明らかに取りたがってるよね」

 

古谷「あ、時計のバンドも白の方がいいね」

 

上仲「かなり細かくチェックされてますね。やっぱり普段の服装もこだわってらっしゃるんですか?」

 

古谷「普段はアウトドアスポーツが多くて、スポーツウェアを買うことが多いです。まずは機能ですよね。それと色とシルエットですかね」

新村「好きな色とかはありますか?」

 

古谷「基本的にはモノトーンとか、ネイビーが好きですけど、原色系で言ったら緑とか紫も好きですね」

 

新村「じゃあ結構、幅広く着られるんですね」

 

上仲「声優のお仕事の時にこのキャラクターは、この服着たら調子いいな、みたいなことはありますか?」

 

古谷「それはもうやっぱりコスプレが一番ですよ」

 

新村「コスプレですか!?」

 

古谷「ぽいものが」

 

上仲「収録の現場でですか? 毎回ではないですよね」

 

古谷「毎回ではないですけどね(笑)。特に新番組が始まる時は、まずオーディションがあったりするわけじゃないですか。そのオーディションの時はそのキャラクターのコスチュームになるべく近いものを着ていくようにしています」

 

上仲「そうすると入り込める…」

 

古谷「入り込めるし、アピールできるじゃないですか」

 

新村「自分はこれくらい熱意ありますよ、と」

 

古谷「そうそう」

 

新村「オーディションの時はそういうことを意識されている方は多いんですか?」

 

古谷「どうだろう、他の声優さんはどうかはよくわからないですけど」

 

新村「古谷さんはそうされているんですね。めちゃくちゃいいこと聞いたなあ」

 

古谷「ガンダムの時もどこか宇宙を感じさせる銀色のジャンパーとか着ていましたよ」

 

上仲「銀色? どこで買ったんですか!?」

 

古谷「当時あったんですよ(笑)」

 

新村「宇宙をイメージして。そうすると入り込めたんですね」

 

古谷「そうですね」

 

新村「これはこれから声優を目指す人にとってもめちゃくちゃいい情報なんじゃないですか?」

 

古谷「キャラクターにあったイメージカラーってあるじゃないですか。星矢だったら赤、コナンの安室透なら黄色とか、ワンピースのサボだったら黒にネイビーとか、そういうのを取り入れたいですよね」

新村「じゃあ、収録日にチラッと見に行ったら、古谷さんがそういうのを取り入れた服を着られているってことですね」

 

古谷「そうですね」

 

新村「1週間監視したいですね」

 

古谷「いや、毎回ではないですよ」

 

上仲「でも秘訣ですよね」

 

新村「めちゃくちゃいいこと伺いました」

 

上仲「3回にわたって古谷徹さんのインタビューをお送りしましたが、本当にありがとうございました」

 

新村「ありがとうございました!」

 

古谷徹

Profile

声優。『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ役をはじめ『名探偵コナン』の安室透役、『美少女戦士セーラームーン』の地場衛/タキシード仮面役、『ONE PIECE』サボ役など出演作多数。

http://torushome.com

 

横浜ヨコハマ

Profile

上仲誠彦、新村晋の2人組、横浜ご当地芸人。横浜市民370万人全員に知られる存在でありつつ、横浜を一歩出たら誰も知らないという新境地を開拓するために日々奮闘中!

公式H P

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上仲Twitter @keminaka

新村Twitter @yokoyokoniimura